あれよあれよとあと一日になった。
引っ越し荷物はすでに出払い、部屋はがらんとしている。
かさ張る冬服と、梱包し忘れた食器類を大きなカバンに詰め込んだ。ひとつは焼いて膨らんだ角餅のようであり、もう片方は、焼きソーセージのようだ。
ここ一週間、梱包、荷物の搬送、諸手続をあれこれしており、慣れないことなので、それなりに気を張っていた。カウントダウンのこの間、別段、ここを離れることに切なさを感じることもなかった。明日、飛行機に乗ってもどこかいつもの感覚が抜けず、往復で帰ってくるような雰囲気があるだろう。土地やこれまでお世話になった人と別れた後の寂しさは、日本に帰った後、こたつで蜜柑とか煎餅を食べている時や、風呂に入っている時など、ふとした時に突然現れるのだろう。今は、いくら冷静に装っても、どこかハイな部分があるのだ。
36。誕生日の前に地震が起きて、誕生日に原発が爆発。ビンラディンが殺され、アラブで革命が起き、昨日、金正日の死亡発表。あまりに大きな出来事が続いて、思い出せないこともある一年。直接、自分には何も関係はないけれど、いろいろあって気持ちが落ち込んだり、高揚したり。
そして、明日、ここを去る。世界と無関係に、がらんとした部屋はとても静かだ。
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