最近の曇天のような心持ち。
それを、打破するべく、髪を刈り込んだ。バリカンでばりばり。そして、長さ3mmに設定するためのアダプターを取る衝動にかられる。
やっちゃへ。やってみたら3mmで刈り込んだ時とあまり変化がない。曇天打破出来ず。
そこで、剃るか。でも。躊躇。
だからこそ、曇天を打破できないのだ。こんなんじゃ、駄目だ。
頭に石けんを塗り。カミソリでモミアゲをじょり。まだ大丈夫。修正は効く。そして、じょり。斜めにそり落としたら、髪の毛3mmのスタートレックのスポック船長が鏡の前に現れた。
「あ、後戻できない」と呟きながら、一人でカミソリ持ちながら笑い転げた。変質者のようだ。
そして、もうやっちまえと思って全部剃り落した。慣れ親しんだ髭剃りでは忘れていた、爽快感。ジョリジョリという感覚も、髭よりも密度の濃い髪の毛では手が痺れるようだ。石けんを洗い流し髪の毛、もとい、頭皮をタオルで拭き取ると坊さんが現れた。
これでわかったことだけど、頭皮は極めて温度に敏感だということ。35年以上頭髪に守られてデリケートな皮膚は超高感度な温度センサーとなるのだった。現在部屋で暖房を付けているが、温度フロント(高い低いの境界/前線)を意図も簡単に見分けられる。また、料理をして居る時に上層の空気がコンロで暖められるその過程、その温度の時間勾配を感じられるのだ。
そして、今日になってみると、頭皮にすでに髪の毛が薄ら浮かんで来た。なでればジョリジョリ感が増した。そして、微々ではあるが延びた頭髪によってか、一日で鈍感さを増したためかその温度センサの感度は低下したように思える。
曇天のような心持ちを、剃髪で打ち破ったかはわからないけれど、『「ある髪」を剃り落すことはなんとも贅沢だ』とは思えた。
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